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「話す、言う、伝える」を意味する英語(動詞)の使い分け方法

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「話す、言う、伝える」を意味する英語

「話す、言う、伝える」を意味する英語(動詞)にはaddress / say / speak / talk / tellなどがあります。

「話す」に使うaddress, say, speak, talk, tellは、中学生レベルで習う日常語です。しかし、その使い分けをきちんと理解している人は、意外に少ないように思います。

どんな相手に、どんな内容を、どのように伝えるか、それぞれのニュアンスを解説していきます。

address「演説する」

addressのネイティブイメージは「演説する」です。

「(人に)話しかける」「(人を)…と呼ぶ」「申し込む」「(問題などを)扱う」などの意味があります。形式張った言葉で、日常の会話ではあまり使いません。演説のようなフォーマルな場でのスピーチに使うイメージがあります。

address an audience (聴衆に演説する),address a warning to...(…に警告する),address a conference (会議で演説する)などの言いまわしがあります。

addressの用例

She was chosen to address the UN General Assembly on the refugee issue.

(難民問題について国連総会で演説するために、彼女が選ばれた)

The Secretary-General of the UN addressed the students at their graduation ceremony.

(国連事務総長は卒業式で生徒に話しかけた)

say「思ったことをそのまま言う」

sayのネイティブイメージは「思ったことをそのまま言う」です。

「言う」「話す」「表わす」などの意味があります。日常、頻繁に耳にする言葉で、どちらかといえば取るに足らない内容を、ふいにロに出すような際に使います。また、引用など人の発言をそのまま伝える時にも用います。

say hello to...(…によろしくと伝える),say to oneself (独り言を言う),say something to...(人に…を言う)などの言いまわしがあります。

sayの用例

If you see Mary, don't say anything about this project.
(メアリ一に会っても、このプロジェク卜のことは何も言うなよ)

He said something, but I couldn’t hear him very well.
(彼は何か言ったが、よく間こえなかった)

speak「情報を不特定の人に伝える」

speakのネイティブイメージは「情報を不特定の人に伝える」です。

「話す」「演説する」「伝える」「表わす」などの意味があります。相手に情報を伝えるのが主目的のため、一方的に話す場合にも用います。フォーマルなものから日常会話まで、また少人数から不特定多数の大人数まで幅広く使えます。

speak to…(…に話しかける),speak for...(…に賛成意見を述べる),speak of A as B (AのことをBと言う)などの言いまわしがあります。

speakの用例

He spoke to all the employees in the company.
(彼は会社の全従業員に話しかけた)

I spoke to the president of the company on the phone yesterday.
(昨日、会社の社長と話をした)

talk「しゃべる」

talkのネイティブイメージは「しゃべる」です。

「話す」「しゃべる」「相談する」「噂話をする」などの意味があります。不特定多数に話をするのではなく、相手を認識した上で話すため、打ち解けた少人数での会話に使われることが多いです。また、フォーマルというより、くだけた内容のほうが多いです。

talk about...(…について話す、話題にする),talk to...(…に話しかける),talk someone out of...(人を説得して…をやめさせる)などの言いまわしがあります。

talkの用例

I need to talk to you about something kind of important.
(ちょっと大事な話があるんだけど)

I stayed up all night talking with my former coworkers.
(前の職場の同僚と夜通し語り合った)

tell「情報を相手に伝える」

tellのネイティブイメージは「情報を相手に伝える」です。

「告げる」「話す」「伝える」「命じる」などの意味があります。相手を認識した上で情報などを伝える際に使います。

tell someone to..(人に…するように言う),tell A from B (A と B を区別する),tell on...(…に言いつける、…に悪影響をおよぼす)などの言いまわしがあります。

tellの用例

Could you tell me how many times this defect has occurred?
(この欠陥が何回起こったかわかる?)

Tell me about your company. I’d like to know more.
(あなたの会社について教えて。もっと知りたいな)

「話す、言う、伝える」を意味する動詞の使い分け

「話す、言う、伝える」を意味する動詞

①大勢の前でフォーマルに話をする動詞

例文:The president addressed the nation and talked about the challenges in his annual State of the Union message to Congress.
(大統領は年頭教書で国民に向けて演説をし、課題について話した)

addressにはさまざまな意味がありますが、「話す」の場合、大勢の前でフォーマルに話をするイメージがあります。しかも、壇上から不特定多数の大人数に向けて一方的に話しかける図です。アメリカ人なら、すぐにaddress the nation個民に向けて演説する)を連想します。

例文は、「大統領は年頭教書の演説をした」という文のため、間違いなくaddressが最適です。これがHe addressed me.なら「私に声をかけた」となり、単に「話しかけた」というより、フォーマルな言い方になります。

speakにも「一方的に話をする」イメ一ジがあるため、speak to the nationでも意味は通じます。しかし、かなりリラックスした印象となるため、この例文ではややOK程度です。

talkを使ってtalk to the nationとすれば、もっとくだけた雰囲気になり、「国民とざっくばらんに話をする」ように聞こえます。意味は通じるが、ここではやや不適切です。

小説では Bill addressed his friends and told them he was getting married.(ビルは友人に話をし、結婚することを告げた)といった表現を目にすることもあるかもしれませんが、これだとかなりかしこまった感じになります。addressを日常的に「話す」の意味で使うことは、まずないと考えていいでしょう。

②軽く口に出す動詞

例文:He’s been late several times. Maybe I should say something to him.
(彼は何回も遅刻している。彼に何か言うべきなのかもしれない)

sayは「何か一言、特に内容を深くは考えずロに出す」イメージの語です。相手はいるものの、思わず口にしてしまったような、軽い雰囲気があります。

報道でもhe said.とよく使い、子供に何か言わせる時にはSay please.(お願いって言いなさい)などと言います。sayは頻繁に使う、非常に日常的な動詞です。

そのため決まり文句が多いのも、sayの特徴だといえます。I didn’t say anything. (何も言ってない),Say what you like.(何を言おうと),Say something.(何か言いなさい),Say no more.(その先は言わないで)など、山ほどあります。

例文はsay something to...(…に何か言う)の言いまわしを使っているため、 sayが適切となります。選択肢で、ほかにこの言いまわしを使える動詞はありません。

また、...,he saidと書き言葉で使う場合、ほとんどが「…と彼は言った」の意味しかありません。しかし、話し言葉では注意が必要です。

たとえばHe said he was busy.は「彼は忙しいって言ったんだって」、つまり「そう言ってるけど、実際には違うかもね」というニュアンスになるのです。

これはHe said he was busy...のあとに、but I don’t believe him.が来ると考えられるためです。ネイティブにすれば、これは自然な話の流れなのです、日本人の感覚ではむずかしいかもしれません。

—方、tellを使ったHe told me he was busy.(彼は忙しいと私に言った)に、 そのようなニュアンスはあまりありません。

また、たとえ He said he liked his job.(彼は仕事を好きだと言った)と言った場合、saidは 過去形なので「前は仕事を好きだと言ったけれど、今は嫌いだ」となることもあります。 He said he likes his jobも、多少その可能性はあります。

誤解を避けるには、He says he likes his job.と言えば「彼は好きだと言ったし、今でも好きだろう」となります。

これらはあくまでも話し言葉の問題で、文を書く時はあまり気にする必要はありません。しかし、ネイティブにも判断はむずかしく、会話の前後関係から判断するのがいいでしょう。

③一方的に話す動詞

例文:She spoke in a low voice, so I thought something was wrong.
(彼女が低い声で話すので、何か問題があるのだと思った)

speakは、相手が1人でも大勢でも、また商単な内容でも重要なことでも、あらゆる状況で使える動詞です。ただし、おたがいに「話し合う」のではなく、一方的に話す場合が多いです。相手を意識せず、自分が話すことに焦点をおいた言い方です。

選択肢のうちaddressはかなり特徴のある動詞ですが、ほかの4つの区別はむずかしいかもしれません。speakと1つずつ比較して、ニュアンスの違いを見ていきましょう。

sayとspeakは、話し手である自分に焦点が置かれている点は共通しますが、話の内容や対象が異なります。sayは取るに足らない内容が多いですが、speakは重要な情報の伝達にも使えます。また公の場で話をするなら、sayではなくspeakです。

talkとspeakは、talkがおたがいに話し合うイメージがあるのに対して、 speakは一方的に話をする印象があります。また、talkなら打ち解けた話だが、speakだとフォーマルな話の場合もあります。

またtellとspeakは情報を相手に伝える点では似ていますが、tellは不特定多数ではなく、相手を認識した上で話します。そのため、tellは相手に直接伝達する印象があるのに対し、speakは相手が間いていようがいまいが、一方的に伝えるニユアンスがあります。

例文は、「何か異常事態が起こったので、彼女は声をひそめて話をした」という文脈になります。

彼女が一方的に重要な話をしたと考えれば、適切なのはspeakです。 しかし、2人が親密な関係で内緒話をしたと考えれば、talkでもいいでしょう。

④話し相手を認識する動詞

例文:Let’s talk about that issue after this meeting.
(この会議のあと、その問題について話し合おう)

talkの基本イメージは、話し相手を認識しての会話です。

I talked to him about my problems.(私は彼に悩みを相談した)や、He talked to me about everything.(彼は私にどんなことでも話した)のように、talk to someone about...(人と…について話をする)の言いまわしは、非常によく使います。

もしtalkを使って一方的に話すならば、スピーチのように、He talked about the economy.(彼は経済について話した)などと言います。

talk toとtalk withの違いについては、ネイティブ同士でもよく議論になります。 しかし、簡単に言えば、talk toは短い会話が多いため、簡単な内容になることでしょう。

一方、talk withだと、本腰を入れて話し込む、重要な相談事のように聞こえます。

I talked to him at the party.(私は彼とパーティで話をした)や、I talked with him at length during the conference.(私は彼と会議のあいだ、長々と話をした) ならばイメージしやすいでしょう。

talk toは2人一緒にいるものの、1人が中心となって話している様子が、talk withは2人で楽しく会話をしている感じがします。そのためI talked to her for hours.より、I talked with her for hours.(私は何時間も彼女と話をした)のほうが、 自然に聞こえます。しかし、実際はどちらを使っても、修正されるほど不自然には聞こえません。

例文は、「話し合おう」に相当する語が入ることから、talkが最適となります。

「その問題についての考えを述べよう」とすればspeakでも間違いではないですが、やや不自然に聞こえます。

また、わずかにアメリ力英語ではtalk withを好み、イギリス英語では talk toが好まれる傾向があるようです。

⑤具体的な1つのことを伝える動詞

例文:I didn’t tell him about our plans, so I don't know why he knows.
(私たちの計画について彼に話をしなかったので、なぜ彼が知っているのか私にはわからない)

tellは、1人もしくは複数に話をする際に使いますが、たいていは「具体的な1つのこと」を伝える時です。何かを言ったという事実より、言った内容そのものが重要となります。

He said he was busy.(彼は忙しいと言った)の場合、He saidの「言った」が 目立つように聞こえます。「彼は忙しいそうだ」のようなニュアンスで、単に「何かを言った」ということに焦点が置かれます。

しかし、He told me he was busy.(彼は私に忙しいと言った)は、he was busyの「忙しい」が目立つように聞こえます。これはsayの場合、取るに足らない内容が多いが、tellの場合、情報を伝達する目的で話をするからです。

sayとtellの場合、直接話法と間接話法の問題もあります。詳しい説明は省きますが、 簡単に言えば、発言内容をそのまま直接伝えるなら、say +引用符、間接的に伝えるなら、say / tell someone that...などとなります。

新聞などの報道では、直接的な引用となるhe saidを多く使いますが、日常会話では、間接的な言い方となるhe toldをよく耳にします。「tell+引用符ならばいいのか?」と思うでしょうが、He told me, “I’m busy."では不自然です。tellの場合、He told me he was busy.が自然です。

例文は、「計画について彼に話さなかった」となります。tellならば、相手を認識した上で情報を伝えるから、適切と判断されます。

say anything to / speak to / talk toなら意味は通じますが、それぞれのニュアンスから最適とは判断できません。

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