行く、移動するを意味する英単語としては、go / move / proceed / travelがあります。
「移動する」というとmoveがすぐに思い浮かぶでしょうが、goやtravelといったおなじみの動詞も使えます。
「移動」のイメージの違いをしっかり把拥し、go, move, proceed, travelの4つを使い分けましょう。
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go「行く」
goのネイティブイメージは行くです。
「行く」「通う」「移動する」「出発する」「運ばれる」「(ものが)収まる」「(機械が)作動する」 などの意味ががあります。
距離的な移動のほか、時間な経過や状態の変化なども表わす場合があります。句動詞で使われることも非常に多く、さまざまな意味を表します。現在いる場所を起点にして、どこかへ移動する際の表現です。
go away (立ち去る),go public (株式を公開する),go against(逆らう)など多くの言いまわしがあります。
goの用例
I need to go to the client's office first thing tomorrow morning.
(明日の朝いちばんでクライアントの会社に行かなくては)
Would you mind going to the first floor and getting the report?
(1階に行ってレポートを取って来てもらえる?)
move 「移動する」
moveのネイティブイメージは「移動する」です。
「動かす」「移動させる」「引っ越す」「(機械などが)作動する」「感動させる」などの意味があります。物理的に実体のあるものを移動させるだけでなく、実体のないものも含めてあらゆるものを動かすイメージで用いられます。
目的地ではなく、「移動すること」に焦点をあてた表現move around (あちこち動きまわる),moveaway (立ち去る),move on (どんどん進む)などの言いまわしがあります。
moveの用例
I was moved to the accounting department.
(私は経理部に異動させられた)
We need to move to the back of the room so more people can enter.
(もっと多くの人が入れるように、部屋のうしろのほうに移動しないと[つめないと])
proceed 「流れに沿って進む」
proceedのネイティブイメージは「流れに沿って進む」です。
「続行する」「(ある状態から)移る」「続けて…する」「進む」「生じる」などの意味があります。ある状態から次の状態へと動作が続いている状態を指します。
「続いている」状態に焦点をあてた表現です。proceed against...(…を訴える),proceed as expected (期待通りに進む),proceed in accordance with...(…にしたがって進める)などの言いまわしがあります。
proceedの用例
After discussing the budget, we'll proceed to the advertising campaign.
(予算について議論したあと、続けて広告キャンぺ一ンに進もう)
The police officer ordered me to proceed through the red light.
(警官は赤信号を直進するよう指示した)
travel「長距離を移動する」
travelのネイティブイメージは「長距離を移動する」です。
「旅行する」「動いていく」などの意味があります。長い距離を絶えず移動していくイメージの語です。1ヶ所に移動するだけでなく、数ヶ所に動きまわるニュアンスがあります。
travel a long way (長旅をする),travel back and forth (行ったり来たりする),travel from face to face (顔をつぎつぎと見ていく)などの言いまわしがあります。
travelの用例
We traveled for two weeks by car, ship and airplane.
(私たちは車と船、飛行機で、2週間旅をした)
What’s the fastest way to travel from Tokyo to Osaka?
(東京から大阪まで移動するのにいちばん速い方法は何ですか)
「行く、移動する」を意味する動詞の使い分け
①一般的な行く
例文:We need to go to the bank before the meeting starts.
(会議が始まるまでに、銀行に行かなくては)
goは非常に幅広く使える単語で、「行く」の意味ではもっとも一般的な動詞です。「行く」「動く」の意味でほとんどの状況で使えます。そして、気軽に、簡単に行けるようなニュアンスがあります。
②一緒に移る
例文:I’m afraid we need to move to the next room. This room is reserved from 3:00.
(すみませんが、隣の部屋に移動しなければならないのです。この部屋には、3時から予約が入っていますので)
moveは「引っ越す」のイメージが強いため、状況を選ばずに使うと、誤解を招くおそれがあります。
また、1人で移動するというよりは、周囲の人間も一緒に移るようなニュアンスがあります。
よく使うmove overは、move over a little (少しずれる)をイメ一ジした言いまわしで、Could you move over?なら、「ここに座れるようにちょっと動いてもらっていいですか」、 Move out of the way!なら、「どけ!」という意味になります。
例文は、複数人で移動するイメージの動詞が入るため、最適なのはmoveです。goでも意味は通りますが、goだとただ「行く」だけの意味となります。proceedでも通じないことはないですが、自然な英語ではないといえます。
③その次に移る
例文:After the speech, we’ll proceed to the banquet room.
(スピーチ終了後、宴会場に移動することになっています)
proceedは、AからBに移動するというより、次のBからCに移動するイメー ジとなります。つまり「その次」です。「次のstep」のような意味合いもあり、I don’t know how to proceed.なら「次のステップはどうしたらいいかわからない」という意味です。
話題を変える際にも使われるが、その場合はgoやmoveのほうが一般的です。 たとえばproceed to the next topic (次の議題に進む)はかなりフォーマルな言い方で、使うとしたらそこそこ大きな会議が適切です。
数人の打ち合わせであれば、普通はgo to the next topicやmove to the next topic(次の議題に移る)を使います。
Please proceed without me.なら、「私がいなくても先に話を進めてください」 という意味になり、会議の席で中座する際の断りのフレーズになります。
—方、Please go without me.は「私は行かないけど、あなたは行ってきて」で、 Please move without me.なら「私はここに住むから1人で引っ越してちようだい」 となり、男女の別れで聞くセリフです。
例文は、「…のあと…する」と次に行なうことを述べているため、proceedが最適となります。goやmoveでも意味的には可能ですが、proceedなら一連の流れを表現することができます。
④長距離の移動
例文:We traveled from Delhi to Rome by ship and train.
(私たちは船と列車でデリーからロ一マまで旅をした)
travelは「移動する」の意味合いが強く、長距離の移動や、複雑な移動手段の場合によく使われます。
例文は、from Delhi to Rome (デリ一からロ一マまで)とかなり長距離の移動を表現しているため、travelが最適です。船や列車で旅をしてまわったイメージが伝
わります。
goでも意味は通りますが、この動詞はただ直線的に移動するイメージなので、最適ではありません。moveやproceedも使えなくはないですが、どちらもニュアンス的に不自然です。