「多分」を英語でいう場合、maybe、perhapsとprobablyなどいろいろなものが使われます。
これらの単語に違いはあるのでしょうか。
英語で多分を意味する単語の使い分けを解説します。
確実性を表す英単語
日本の学生との接触が長く、『日本人の英語』その他の著書を通して、日本人英語について有益な助言を続けているマーク・ピー夕一セン氏は、『英語の壁』という 本の中で、
Don’t tell me to wait till tomorrow. Who knows what might happen tomorrow ? Maybe we’ll die tomorrow.
と続く3文の最後の1文を、すベての日本人学生が「私たちは、明日たぶん死ぬでしょう」と訳して、 何の疑問も抱かないのに驚いた、と言っています。
氏によれば、学生たちは「maybe=たぶん」と長年教えられてきたので、いくらそれは大きな誤りであり、正しくは「かもしれない」だと説いても、受け入れない、と半ばあきらめています。
maybeはアメリカでより多く用いられていますが、 確かに「たぶん」より「かもしれない」と覚えるほうが当てはまる率が高いと思います。
イギリス人はmaybeも使うけれど、同じ意味でperhapsをよく使います。 maybeとperhapsは同じ程度だと考えて差し支えありません。
確実、不確実性を表す副詞の比較を解説している英和辞典が最近は多くなってきていますので、ここでは『フェイバリット英和辞典』のperhapsにある解説を引用します。
上から順に確実性のパーセンテージが高いものになっています。
確実、不確実性を意味する単語のパーセンテージ
・Certainly 90%以上確実
・Absolutely 50 〜90%
・Necessarily 50 〜90%
・Probably 50 〜90%
・Perhaps 50%以下
・Maybe 50%以下
・Possibly 50%以下
・Never 0%
いうまでもなく、これはおおよそのことです。
コンテクスト、発音の仕方によっても変わるのですけれど、一応の目安になるので、覚えておくとよいと思います。
ですから、例えば、雨傘を持つのを嫌う人なら、出がけにお母さんが、“Maybe it will rain soon."と注意したくらいでは傘を持っていかないでしょう。
しかし、“Probably it will rain soon.”と言われれば、傘を持って出かけるのではないでしょうか。
もう1つの例です。
大学受験に際して、指導の先生から、“Perhaps you will pass the entrance exam.といわれたら、ほっとしますか、がっかりしますか?
これはがっかりですね。合格率は半々くらいか、それ以下ということになります。
もちろん、“Certainly/Surely you will succeed."と言われたら、安心していいですけれど、“Probably you will succeed.”でも、まずは合格圈に入っているという保証ですよ。
最近の乱れた日本語でも、「たぶん」と「かもしれない」をごっちゃに考えることもありそうですが、この機会に区別する癖をつけてほしいです。
多分の英語例文
・Maybe we’ll die tomorrow.
ひょっとすると明日死ぬかもしれない。
・Perhaps you will pass the entrance examination.
もしかすると君は入試に合格するがもしれない。
・The population of the village in those days was, perhaps, less than one hundred.
当時の村の人口は、もしかすると100人に満たなかったのかもしれない。